スタッドレスタイヤの寿命年数は7年、10年?残り溝での見分け方と長持ちのコツ

冬になるとスタッドレスタイヤを履く人も増えてきます。

そこで気になるのが、スタッドレスタイヤの寿命です。数年前に購入したスタッドレスタイヤを今年も履いていいのか、気になる人も多いでしょう。

そこで今回、スタッドレスタイヤの寿命はどれくらいなのか。見分け方と長持ちさせるコツをお伝えしていきます。

目次

スタッドレスタイヤに寿命や耐久年数ってあるの?

スタッドレスタイヤを履いているが、いつまで履いていいのかわからない人も多いでしょう。交換したほうがいいタイミングを解説します。

耐久年数による寿命の目安は「3〜4年」

スタッドレスタイヤの寿命の目安は、3~4年です。使用状況や保管環境にもよりますが、多くのメーカーが性能を保証する期間を3年と定めています。

タイヤは使用していなくても経年劣化してしまうので、ゴムが硬化して摩耗が進むと本来の能力を発揮できなくなります。この3~4年というのは使用開始日からではなく、製造年月日からの年数です。

なので、購入時には製造年月日を確認しましょう。後ほど製造年月日の確認方法をお伝えします。

走行距離による寿命の目安は「1~1.5万km」

もう一つの寿命の目安が走行距離で表されて、距離にして1~1.5万kmです。

走行距離は人によって全然違いますが、年間で1万km前後を運転する人が多いといわれています。仮に年間で1万km運転する人で、12月から3月までの4か月間スタッドレスタイヤで運転すると、約3年が寿命になります。

あんまり運転しないなら4年以上経っても運転できると考える人もいると思いますが、置いているだけでも劣化は進んでしまうので、日々のメンテナンスでタイヤの状態を確認して運転しましょう。

夏タイヤとスタッドレスタイヤで寿命は異なる

同じタイヤでも夏タイヤとスタッドレスタイヤでは、寿命が異なります。

年数 走行距離
夏タイヤ 約5年 3~5万km
スタッドレスタイヤ 約3~4年 1~1.5万km

寿命の違いは、タイヤに使用されているゴムの質の違いです。スタッドレスタイヤのゴムは、低温に耐えられるように夏タイヤに比べて柔らかいゴムを使用しているので、摩耗が早く進み寿命が短くなります。

スタッドレスタイヤの寿命と交換目安時期の見分け方

では、具体的にどのような症状や状態だと交換すればいいのか。見分け方を4つの項目に分けて解説していきます。

溝の深さ

溝の深さでのポイントは、溝が新品時から50%以上摩耗していないかを確認することです。

スタッドレスタイヤの摩耗具合を確認する目印が「プラットフォーム」と言われる凸です。もし、50%以上摩耗するとこの凸が表面上に表れて、交換のサインになります。

➀タイヤの側面の↑(矢印)を確認する(矢印は90度間隔で計4つあります)
➁↑の延長線上の地面との接地面の溝の間にある小さく盛り上がっているのが「プラットフォーム」
➂「プラットフォーム」がタイヤの表面上に出現していたらOUT(50%以上摩耗)
50%以上摩耗してプラットフォームが出現していると、凍結路や雪上での走行性能やブレーキ性能が悪くなり、スリップなどの危険性が高まります。

見た目(傷やひび割れ)

スタッドレスタイヤに傷やひび割れ、偏摩耗が発見されると交換したほうがいいです。

なぜなら、傷やひび割れ、偏摩耗がある状態で走行するとパンクや破裂する可能性があるためです。また、本来の性能が発揮できず、スリップしてしまう可能性もあります。

雪道では、雪に隠れているゴミなどに当たってしまうこともあるので、タイヤが傷ついている状態は避けるべきです。

ゴムの硬さ

ゴムの硬さを硬度計で測った時に、「60」を超えると交換することをおすすめします。

メーカーにもよりますが、新品の状態だと「45」以下の数字が表示されます。「60」を超えるとスタッドレスタイヤ本来の性能を発揮できずに、危険な状態です。ゴムの柔らかさは柔らかいほどグリップ力が高く、安全な走行ができます。

硬度計を持っている方はほとんどいないと思うので、ガソリンスタンドやカー用品店などで測ってもらいましょう。

製造年数

先ほども紹介したように、交換目安時期をタイヤの製造年月日で見分ける方法があり、簡単です。

製造年月日は、タイヤの側面に数字4桁で記載がされています。最初の2桁は製造年を表していて、後半の2桁はどの週に製造されたかを示しています。例えば「1022」と書いている場合、2022年の10週目に製造されたという意味です。

新品で売っている場合でも、去年以前に製造されたタイヤの可能性も十分あり得ます。使用していなくてもゴムは硬くなっていくので、購入前に確認しましょう。

スタッドレスタイヤの寿命に関する法律上の注意点

実は、タイヤの溝の深さが1.6mm以下の状態で運転すると道路交通法違反です。その溝の深さは「スリップサイン」で確認します。

「スリップサイン」とは、溝の間にある凸のことで、タイヤの寿命を確認する目印です。「スリップサイン」がタイヤの表面上と同じ高さになった時が、1.6mm以下になったということです。

では、「スリップサイン」がどこにあるのかを説明します。タイヤの側面に▲(三角)マークがあり、その延長線上の凸が「スリップサイン」です。▲はタイヤ1周につき約4~9個取り付けられています。

違反にもなりますし、雪上や凍結路での性能も落ちて危ないので、1.6mm以下になると速やかに新しいタイヤに交換しましょう。ただし、先ほど紹介した「プラットフォーム」はあくまで雪上性能の寿命を表すものなので、「プラットフォーム」がタイヤの表面上に露出しても違反にはなりません。

メーカー別スタッドレスタイヤの寿命

タイヤの寿命はメーカー別で違いはあるのか。見ていきます。

ブリヂストン製スタッドレスタイヤ寿命は?

ブリジストンのタイヤも基本的には、3~4年が寿命です。

ブリジストンのスタッドレスタイヤと言えば「BLIZZAK」が有名です。「BLIZZAK」はVRX3まで販売されており、4年後も性能が落ちにくいとメーカーが発表しています。

実際、旧シリーズのVRX2の使用開始時より、VRX3の4年後のほうが高い性能を維持しているデータがあるので、使い方次第では4,5年以上使うことも可能かもしれません。

ブリジストンは5年もった
最後の1年は固くなっていたので実質4年か

こちらは一例ではありますが、4~5年使用できた方もいます。

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ヨコハマ製スタッドレスタイヤ寿命は?

ヨコハマのタイヤも基本的には、3~4年が寿命です。

ブリジストンのスタッドレスタイヤと言えば「ice GUARD」が有名です。「ice GUARD」は最新がice GUARD7であり、今まで8シリーズまで販売されています。

ice GUARD6からは新たにオレンジオイルSを採用して、4年後も性能が落ちにくいタイヤの製造に成功しました。

デリカのスタッドレス、ヨコハマのアイスガードSUV G075を5年履いたので…同じやつの新品に買い替えました。5年履いていて一度も怖い目に遭わなかったスタッドレスなんで、モデル末期だけどいいだろと。

2016年に販売されたスタッドレスタイヤでも、5年間問題なく使い続けている方もいます。なので、より新しく発売されているスタッドレスタイヤは、丁寧に扱えば5年以上は利用できるでしょう。

ダンロップ製スタッドレスタイヤ寿命は?

ダンロップのタイヤも基本的には、3~4年が寿命です。

ダンロップのスタッドレスタイヤと言えば「WINTER MAXX」が有名です。「WINTER MAXX」はWINTER MAXX03まで販売されており、4年使えるロングライフとメーカーが発表しています。

独自開発した液状ファルネセンゴムと摩耗しにくいように工夫されたパターン設計により性能を長く続けることができます。

私のスタッドレスはDUNLOPのウインターMAXXで5年履きました

こちらの例でも、5年履いている方がいます。

3つのメーカーのタイヤを比較しましたが、どのメーカーも細かい造りは違っても使い方次第では5年以上使用も可能です。なので、次に紹介するスタッドレスタイヤはを長持ちさせる方法を参考にして、上手にタイヤを扱いましょう。

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スタッドレスタイヤの寿命を長持ちさせる方法

スタッドレスタイヤを長持ちさせる方法をお伝えします。ポイントが4つあるので、参考にしてください。

適切な空気圧(指定空気圧)で管理する

本来の性能を維持して走行するには、空気圧を適切に保つことが必要です。夏用タイヤとスタッドレスタイヤで空気圧に違いはないので、同じ空気圧で管理するようにしましょう。

適切な空気圧は、運転席のドアの内側か開口部付近のシールに記載されています(車によって場所が異なる)。例えば、240kpaと書いてあると、240kpaの空気圧であれば大丈夫です。

タイヤ空気圧

・グリップの効きが悪くなり、制動距離が伸びる
・カーブで大きく膨らんでしまう
・中央だけが摩耗してしまう(直進性も悪くなる)
・燃費が悪くなる
・タイヤがバースト(破裂)しやすくなる
・タイヤの両サイドに負担がかかって偏摩耗しやすく、操作性も悪くなる
また、路面状況や天候などの運転環境によって空気圧を管理する方法もあります。雪がまあまあ積もっている場所を運転するときは、空気圧を低くすることで走行が安定します。
逆に、凍結した路面を走るときは空気圧を少し高くすることでタイヤが滑りにくくなります。ただし、いろんな道を走ると思うので、調整が難しい方は記載されている空気圧に調整しておきましょう。

風通しの良い物置や倉庫に保管する

保管方法でベストなのは、屋内の風通しの良い物置や倉庫です。とにかく直射日光が当たらない日陰に置くのがおすすめです。

直射日光や紫外線に当たる場所や、高温になりすぎる場所だとゴムが劣化してしまうので、注意しましょう。

どうしても屋内で保管が難しい場合は、タイヤカバーやケースに入れて保管しましょう。

➀保管前に水でタイヤの汚れを落として乾燥させる(残った水分や油分で劣化を早めてしまうため)
➁ストレスを下げるため、タイヤの空気圧を形が保てる程度まで抜く(目安は適正空気圧の半分程度)
➂スタッドレスタイヤだけなら縦向きで保管、ホイール付きなら横向き保管が理想(どちらでも可)
→タイヤの変形防止のため定期的に位置を変えましょう
④タイヤを直接地面に置かずに、段ボールやベニヤ板を敷く(色移り防止のため)
また、自宅での保管ができない方や不安な方は、タイヤお預かりサービスを利用するのも良いでしょう。安いところだと年間7,000円ほどで預かってもらえます。
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タイヤ保管サービス 比較

タイヤの位置交換とアライメントを行う

スタッドレスタイヤの位置を定期的に交換すること(ローテーション)で、長持ちさせることが可能です。スタッドレスタイヤは夏タイヤより柔らかく偏摩耗しやすいので、ローテーションでそれを防ぎます。

駆動方式によって効率のいいローテーションの方法が異なりますので、解説します。

FF車のタイヤ

➀前輪は左右を入れ替えずにそのまま後輪と入れ替える
➁後輪は左右を逆にして(右後輪は左前輪に、左後輪は右前輪)前輪と入れ替える

FF車は他の駆動方式よりも早めの交換をおすすめします。

FR車・4WD車のタイヤ

➀前輪は左右を逆にして(右前輪は左後輪に、左前輪は右後輪)後輪と入れ替える
➁後輪は左右を入れ替えずにそのまま前輪と入れ替える

回転方向の指定があるタイヤ

➀前輪と後輪をそのまま入れ替える

スペアタイヤがあり5本でローテーションする場合

➀後輪は左右を入れ替えずにそのまま前輪と入れ替える
➁左前輪を右後輪に装着する
➂スペアタイヤを左後輪に装着する
④右前輪をスペアタイヤにする

ローテーションのタイミングは運転の癖や仕方にもよりますが、およそ5000km走行ごとに行いましょう。

また、アライメント(タイヤの取り付け角度やズレを調整すること)を行うことで偏摩耗がなくなり、寿命が延びます。さらに、グリップ力が増し、操作性能が高くなり、燃費も向上する可能性があります。

夏季期間は使わないようにする

夏に柔らかいスタッドレスタイヤを履くと、摩耗が速くなり寿命が短くなります。ゴムは柔らかいほうが摩耗しやすく、路面温度は60度を超えることもあり、非常に相性が悪いです。

さらに、熱い路面を走るとタイヤが変形したり、熱が溜まりすぎるとバーストしてしまうこともあります。長時間の走行や空気圧が低いときは、特に注意しましょう。

また、雨天の運転時に滑りやすくなったり、ロードノイズが大きかったり、ブレーキ性能が悪かったりと運転にも支障が出てきます。なので、夏場はしっかり夏タイヤ交に換をして保管しておきましょう。

スタッドレスタイヤの正しい処分方法とは?

スタッドレスタイヤは自治体での処分が難しいため、環境省が「適正処理困難物」に指定しています。つまり、粗大ごみとしての回収が不可能です。

なので、手数料はかかりますが、業者に依頼して回収してもらいます。回収してくれる業者は以下の通りです。

  • タイヤ販売店やカー用品店:回収費用は1本300円ほど
  • ガソリンスタンド:回収費用は1本300円ほど
  • カーディーラー:回収費用は1本500円ほど
  • 整備工場:回収費用は1本300~500円ほど
  • 不用品回収業者:回収費用は1本1,000円ほど

回収されたスタッドレスタイヤの9割以上がリサイクルされるので、ゴミとして廃棄されるわけではありません。主に燃料にリサイクルされるので、環境にも良いです。くれぐれも不法投棄はしないようにしましょう。

また、中古タイヤの中でも、製造年月日が新しいタイヤや人気のタイヤなどは買取できる可能性もあります。リサイクル業者や中古タイヤ販売業者に一度見積もりを取ってもらうのもいいでしょう。個人間の売買はトラブルになる可能性もあるので、おすすめしません。

おすすめの買い取り業者は、タイヤ買取ナンバー1です。査定方法も電話、WEB、店舗、出張、法人買取の5つがあり、自分の買い取り希望額を考慮した値付けをしてくれます。査定額の保証や送料無料も特徴で、口コミの評価も良いです。

参考URL:タイヤ買取ナンバーワン

スタッドレスタイヤの寿命に関するよくある質問

ここからはよく問い合わせのある質問に答えていきます。

未使用のスタッドレスタイヤの寿命はどれくらい?

スタッドレスタイヤの寿命は、製造されてから3~4年です。使用していなくても性能が悪くなる可能性があるので、基本的には4年で交換するほうがいいでしょう。

しかし、上記で説明している通り、あまり使用していなくてタイヤの状態が良い場合は、使い続けても性能を維持できることもあります。

スタッドレスタイヤの寿命は5年までと聞いたけど本当?

国内メーカーだと最長でも5年と言われていて、それ以降の使用はおすすめしていません。

多くの方が3~4年で「プラットフォーム」がタイヤの表面上に表れるので、交換時期だと判断します。

スタッドレスタイヤを7年も使っているけど大丈夫?

雪上性能、氷上性能が保証できない期間なので、すぐに交換することをおすすめします。

もちろん、保管状態が良いタイヤは短時間の運転であれば使用できる可能性があります。

10年目・10年落ちのスタッドレスタイヤは使える?

10年目のタイヤは使わないほうがいいです。新品と交換しましょう。

スタッドレスタイヤより寿命が長いといわれる夏タイヤでも長くて10年ほどなので、未使用であっても使わないようにしましょう。

北海道でのスタッドレスタイヤの寿命はどれくらい?

基本的には、スタッドレスタイヤの寿命である3~4年です。

しかし、北海道のような厳しい環境下ではタイヤの消耗や劣化も激しい可能性があるので、定期的にタイヤの状態をチェックして早めに交換したほうがいい場合もあります。